みんなの更年期事情 更年期障害意識調査レポート
更年期障害は人には言いづらいもの。
実際のところはどうなのか、40~50代女性を対象に更年期障害について調査を実施しました。
監修医の岡野先生のアドバイスと一緒にご紹介します。
調査:QLife(2014年10月実施)
- 更年期障害の症状
- 更年期障害の治療
更年期障害の症状
Q一般的に「更年期障害」に該当するとあなたが思うものを全てお答えください。
Q感じた症状のうち当てはまるもの全てを教えてください。
- 調査ノートINVESTIGATION NOTE
- 大きくは異なりませんが、「肩こり、腰痛、手足の痛みがある」はイメージでは6番目でしたが、実際は1位で57%もの方が当てはまっていました。また、イメージでもっとも多かった「急に顔がほてる」も、3番目の51%と半数の方が感じていました。
更年期障害の症状について、こちらで詳しく紹介しています。
更年期障害のさまざまな症状
更年期障害の症状
Q症状が起きて日常生活に影響はありましたか?
Q日常生活への影響について具体的に教えてください。
- 急にほてったり暑くなったり疲れたりするので、予定があると困る。
- やる気も集中力もなくなりなにも楽しめなくなった。
- 何もできなくなり主人に助けてもらっているのに、それに対して感謝より怒りや憂鬱な気持ちしかなく喧嘩ばかりしていた。
- 不眠が続き疲れが残る。疲れが取れないので外出が減った。なんでもネガティブに考えるようになった気がする。
- 仕事に全く熱が入らなくなった。
- 家事がおっくうになった。
- 調査ノートINVESTIGATION NOTE
- 6割近くの方が、日常生活に何かしらの影響をきたしています。具体的には、ほてったり疲れやすくなって予定が組めないことや、やる気がなくなって仕事に影響をきたすなど、体と心の両方から影響が出ているようです。
更年期障害の治療
Qこの3年の間にあなたが感じた不定愁訴や"なんとなく不調"の治療のために病院を受診したことがありますか?
Q病院受診をする際に、受診前から「更年期障害」だと思って受診しましたか?それとも別の病気を疑いましたか?
- 調査ノートINVESTIGATION NOTE
- 病院で受診した方は1/4以下と少ない結果でした。また、更年期障害と思って受診した方は半数ほどで、3割の方が「何の病気か分からない」けど受診をしていました。
ドクターズコメント おかしいな? と思ったら病院へ
市販されているサプリメントや飲み薬などを服用している方もいらっしゃいますが、なかなか改善が見られず、かなり辛い状態になってから受診される方も少なくありません。しかし、この時期の不調は更年期障害だけではありません。高血圧などの生活習慣病やうつ病などの場合もあります。どこの診療科でも異常がないと言われ婦人科を受診する人の多くは更年期障害ですが、細かい問診と検査をしていくと違う病気が見えてくる患者様もいらっしゃいます。「いつもと違う」「おかしいな」と思ったらまずは病院を受診することをおすすめします。
更年期障害の治療
Q病院を受診しなかった理由について、当てはまるものを全て教えてください。
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Q病院受診以外に何か対処をしましたか?当てはまるもの全てを教えてください。
Q病院受診以外の対処(サプリや市販薬の使用)で症状は改善しましたか?
- 調査ノートINVESTIGATION NOTE
- 病院で受診しなかった理由を調査したところ、「我慢できるから」「そのうち治るから」が主な理由としてあがってきました。更年期障害は一過性のものだから、と耐えている方が多いようです。とはいえ、4割以上の方が病院での診察以外で対処をしており、対処法としては「サプリメントの服用」が約半数。「市販薬の服用」が3割強でした。しかし、「とてもよくなった」と感じる人はわずかに4%で、約半数の人が効果を実感できずにいました。
更年期障害の治療
Q受診先を選ぶ際に「婦人科」は選択肢にありましたか?
Q病院受診の際、何科を受診しましたか?複数の病院を受診した方は当てはまるもの全てを教えてください。
Q婦人科を受診する前と受診した後で変わった「婦人科」に対するイメージを具体的に教えてください。
- 行く前はいやだったが、いってみたら信頼関係が築けたし、それだけでもよかった。
- わけのわからない自分の症状が、更年期障害とわかり気持ちに安堵感があったような気がする。
- 行く前は、こんな症状で婦人科を受診してもよいのかと心配だったが、同じような症状の方がたくさんこられているということを聞き、ほっとした。
- 最初は症状がわかってもらえないのではという不安があったが、いろいろと検査をしてもらえたし、単純に不定愁訴と決めつけず、説明もわかりやすかったので、相談しやすい雰囲気がありました。
- 行く前は少し怖かったが、先生と話をして親身になって相談にも乗って貰ったし、話をする事で自分の中のモヤモヤした気分が安心に変わった。
- 婦人科は内科のようにもっと気軽に通うほうが自分の体調管理によいと思った。
- 調査ノートINVESTIGATION NOTE
- 更年期障害は自分では判断しづらいものなので、受診する診療科は迷いがちではないでしょうか?受診する診療科の選択肢に「婦人科」があった方は3割にも満たず、7割強の方が選択肢になかったと答えています。実際に受診した診療科については「婦人科」が6割近くですが、内科や心療内科を受診したのちに婦人科にたどりつく人が多いことが読み取れます。また、婦人科の受診には抵抗感のある方もいらっしゃるようですが、受診前と受診後ではイメージが変わるようです。
ドクターズコメント 婦人科のかかりつけ医を持ちましょう
妊娠・出産以来、婦人科には行っていないために「こんな症状で婦人科を受診してもいいのか心配」さらに「婦人科で更年期の症状を診てもらえるとは知らなかった」との声がありました。女性特有な病気は女性ホルモンに強く関係しています。月経の障害や更年期障害はその中心的な病気です。女性ホルモンを基礎とした症状や病気の見方がとても重要で、婦人科がその専門です。ホルモンのみならず癌のことから性の問題まで幅広く対応し、女性のための総合診療をモットーとしている婦人科に、もっと気軽にご相談してみてください。
更年期障害の治療
Q病院受診で症状は改善しましたか?
Q病院受診以外の対処(サプリや市販薬の使用)で症状は改善しましたか?
Qホルモン補充療法(HRT)をおこなった結果、症状はどうなりましたか?
- 調査ノートINVESTIGATION NOTE
- 病院受診以外の対処で症状が改善された方は3割ほど。約7割の方が「変わらなかった」と答えています。一方、病院受診で症状が改善された方は6.5割と、病院受診の対処により、症状が改善した方が多い結果となりました。さらにHRTでは3割強の方がとてもよくなったと感じ、改善を感じた方は8割近くに達しました。
ドクターズコメント 専門医の診察で適切な診断・治療を
病院を受診した方が、症状はかなり改善することがわかります。しかし、さまざまな科を受診し、そのたびにのぼせ、睡眠障害、動悸にめまいと症状に対する薬がどんどん増えていくのは、更年期障害が原因の場合はあまりお勧めできません。婦人科でできる治療法のひとつにHRTがありますが、これは女性ホルモンを補うことで更年期に見られるさまざまな不快な症状を取り除けるというメリットがあります。辛い症状の原因を知り、適切な治療を受けられるのは、やはり病院だからこそ。一人で悩む前にまずは病院で相談をしてみてください。
ドクターズコメント 体と心の両方で日常生活に支障が
更年期障害の症状は、個人によってその重さは異なりますが、これまで普通に出来ていた日常のことができなくなってしまうことも多くあります。典型的な発汗やほてりであっても、いつその症状が出るかわからないため、仕事上で人に会うことに不安を覚える人も少なくありません。また、疲労感が強くやる気がでないことから家事ができなくなったり、集中力が続かなくなり、記憶力が低下したように感じ、以前のように仕事ができなくなり、最悪会社を追われてしまう人もいます。