TDDS製剤技術を深化させ
世界をリードする製剤を創造。
新たな製品やサービスを継続的に生み出すべく、当社では研究活動に力を注いでいます。一見すると同じように見える貼付剤であっても、その機能は多岐にわたっています。実際、疾患部位に直接作用しつつも、体内に入る薬の量を細部までコントロールすることで、身体に負荷をかけない貼付剤なども開発されています。また、長期間製剤化をテーマにした研究では、従来の貼付剤では実現できない新たなTDDS製剤技術の開発が進められています。
当社では既に世に出た製剤を改良することを「育薬」と呼びます。この「育薬」にも力を注いでいます。製剤の効能追加に留まらず、植物由来原料、再生原料の活用などを通して、環境に配慮した医薬品の検討も展開しています。
グローバル規模の開発としては、各国の規制に対応しながら安定性を確保できる製剤開発とデータ取得を推進。世界に向けて名を馳せる企業となった現在、開発段階から世界市場を視野にいれた研究開発に挑んでいます。
研究職の
「仕事の醍醐味」
新薬の開発の最前線に立つ研究職は、長期的なスパンでさまざまな角度からの研究・実験を繰り返していくことになります。製剤研究、薬理動態分析、安全性分析、安定性評価など、薬学生が学校で経験してきた研究手法がダイレクトに生きる場面も少なくありません。ただ、研究テーマとしては必ずしも学生時代と合致するわけではありません。しかし、学業を通して未知なる世界で知見を広げ、自分を磨き上げてきた姿勢は、仕事の中でも十分に生かされるはずです。ときには特許出願が必要な全くの新技術に携わることも。世界の医薬品を発展させる重要な役割を担えるのが研究職の醍醐味です。もちろん簡単には成果が出ないのが常で、研究プロセスは苦難の連続ですが、多くの人の健康に貢献し、笑顔を引き出したいとの思いを胸に、研究職たちは日々の仕事に臨んでいます。
この職種の社員インタビュー
臨床開発職の
「仕事の醍醐味」
久光製薬の臨床開発職には、マルチな行動力が求められます。実際、臨床試験全体のプランニングに始まり、各試験の計画立案、治験を実施してくれる病院・クリニックへの説明と契約の締結、具体的な試験のモニタリングなど多岐にわたる業務を手掛けていきます。医師や関係者、患者、外部のCROらとコミュニケーションをしながら、一つのチームを作り上げ、同じ目的に向かって走る。チームの中心として人をまとめていくアクティブな仕事である一方、専門知識をまとった研究者的な側面も強く求められるなど、二面性を有しているユニークな仕事でもあります。成果を出すための道筋は多岐にわたっているからこそ、自分の知識や経験をフル活用してプランニングした結果、狙い通りに物事が進んだときの達成感は格別です。久光製薬の場合、既にある有効成分を活用しての開発が多く、薬が上市されるまでのスパンが比較的短いだけに、新薬を世の中に送り届ける場面に立ち会える可能性が高いのも魅力です。
Topic 01久光製薬TDDSの対象疾患の拡がり
久光製薬は様々な疾病に対して研究開発進めています。
- 認知症(リバスチグミン)
- パーキンソン(ロピニロール塩酸塩)
- 鼻炎(エメダスチンフマル酸塩)
- 喘息(ツロプテロール)
- 頻尿(オキシプチニン塩酸塩)
- 更年期障害(エストラジオール、酢酸ノルエチステロン)
- 多汗症(オキシブチニン塩酸塩)
- ADHD(メチルフェニデート、デキストロアンフェタミン)
- 統合失調症(アセナピンマレイン酸塩)
- 〈痛み〉
-
- ・局所(NSAIDs群、HP-5000※ジクロフェナクナトリウム)
- ・全身(フェンタニルクエン酸塩、フェンタニル、ジクロフェナクナトリウム)
Topic 02研究開発パイプライン
製品化に向け研究開発を進めています。
ステージ | テーマ | 対象 | 剤型 | 対象疾患名 | 次のステップ |
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承認 | OABLOK® EX PATCH (ネオキシ®テープ) |
亜 | 貼付剤 | 過活動膀胱 | 2024年度発売予定 |
承認 | ALLESAGA® PATCH (アレサガ®テープ) |
亜 | 貼付剤 | アレルギー性鼻炎 | 2024年度発売予定 |
フェーズ3 | HP-5000 | 米 | 貼付剤 | 変形性膝関節症 | 検討中 |
フェーズ2 | HP-6050 | 日 | マイクロ ニードル |
せん妄、精神運動興奮状態、 易怒性 |
2024年度フェーズ2 試験結果判明予定 |
※2023年10月現在
Topic 03研究開発体制のテーマの一元化
佐賀県鳥栖市と茨城県つくば市の2拠点にあった研究機能を1拠点に集約し、
研究者間の連携と協調を更に強化することで、
研究開発機能を最大限に発揮するとともに、研究開発スピードの向上を図ります。
フロンティアリ サーチユニット |
将来の新たな薬剤の創出のため候補薬物探索・評価、外部導入内容の評価業務 |
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リードリサーチ ユニット |
皮膚・局所の基礎研究、開発品の非臨床試験および 新規技術の探索・開発。 |
フォーミュレー ションデザイン ユニット |
医療用医薬品、一般用医薬品および、医薬品以外を含む全ての開発品の処方設計や、プロセス開発など一連の業務を主業務 |
アナリティカル リサーチユニッ ト |
医療用医薬品、一般用医薬品および医薬品以外を含む全ての開発品の分析・評価業務 |
SETT※1リサー チユニット |
技術移転にあたってのリスクの調査・確認、PAT※2、ECO対応および新素材探索。 |
- ※1)SETTとは、SDGs, ESG and Technical Transfer の 頭文字を合わせたものを示します。
- ※2)PATとは、Process Analytical Technology の略称で、製造プロセス開発と同時に工程を解析し管理する一連の技術開発を指す。