接触皮膚炎

接触皮膚炎とは

外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応をさし、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎に大別されます。

接触皮膚炎ー刺激性接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎

症状

自覚症状、他覚症状を以下に示します。

  1. 自覚症状

    刺激性接触皮膚炎:刺激感、疼痛

    アレルギー性接触皮膚炎:痒み(重度の場合→発熱、全身倦怠感)

  2. 他覚症状

    外用した部位の紅斑、浮腫、丘疹、小水疱、びらん(重度の場合→外用部位を超えて紅斑、浮腫、丘疹が拡大)

    なお、治癒過程において色素沈着を残す場合あり。

紅斑期-血管の拡張・充血により紅色を呈する 丘疹期-皮膚から限局性に隆起する皮疹 小水疱期-透明な漿水うを含む表皮に存する空洞(みずぶくれ) 膿疱期-水泡の内容が膿性のものをいう 糜爛期-水泡、膿疱が破れ紅色の浸潤面が露わになったもの 結痂期-漿液、血液、膿汁が凝固した塊(かさぶた) 落屑期-剥離過程(らくせつ) 苔癬化-皮膚が肥厚し、凹凸不平を示す状態 治癒

図 接触皮膚炎の進行・治療過程

治療

薬剤による接触皮膚炎の治療は、まず、原因となった薬剤を中止し、接触アレルギーを起こさないステロイド外用薬を選択し、炎症症状の強い場合には、局所作用の強いステロイド外用薬を使用します。皮疹が重度で広範囲に分布する場合、顔面の浮腫が強い場合、自家感作性皮膚炎を生じて汎発疹がみられる場合、発熱や倦怠感を伴う強い反応を示す場合(接触皮膚炎症候群)などでは、ステロイド内服が奨められます。

(参考文献)
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(平成22年3月)
高山かおる, ほか: 接触皮膚炎診療ガイドライン. 日本皮膚科学会雑誌 2009;119(9):1757-1793.

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