接触皮膚炎とは
外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応をさし、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎に大別されます。
症状
自覚症状、他覚症状を以下に示します。
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自覚症状
刺激性接触皮膚炎:刺激感、疼痛
アレルギー性接触皮膚炎:痒み(重度の場合→発熱、全身倦怠感)
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他覚症状
外用した部位の紅斑、浮腫、丘疹、小水疱、びらん(重度の場合→外用部位を超えて紅斑、浮腫、丘疹が拡大)
なお、治癒過程において色素沈着を残す場合あり。
図 接触皮膚炎の進行・治療過程
治療
薬剤による接触皮膚炎の治療は、まず、原因となった薬剤を中止し、接触アレルギーを起こさないステロイド外用薬を選択し、炎症症状の強い場合には、局所作用の強いステロイド外用薬を使用します。皮疹が重度で広範囲に分布する場合、顔面の浮腫が強い場合、自家感作性皮膚炎を生じて汎発疹がみられる場合、発熱や倦怠感を伴う強い反応を示す場合(接触皮膚炎症候群)などでは、ステロイド内服が奨められます。
(参考文献)
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(平成22年3月)
高山かおる, ほか: 接触皮膚炎診療ガイドライン. 日本皮膚科学会雑誌 2009;119(9):1757-1793.