サステナビリティ
コーポレート・ガバナンス
リスクマネジメント・情報開示
久光製薬は、社内外のさまざまなリスクの把握と低減活動を行い、事業活動の継続と発展に努めています。自然災害・緊急事態への対応、個人情報と情報セキュリティの確保や知的財産の保護などさまざまなリスクを想定し、リスクマネジメント体制を構築しています。
経営リスクマネジメント
久光製薬は、さまざまな経営リスクに対し適切で効果的な対応を行うとともに、経営リスクが発生した場合の影響を極小化する目的として、「経営リスクマネジメントに関する方針書」を定めています。
各担当部門長は、四半期毎に経営諮問会議にて、経営リスクの対応状況、戦略的な計画策定や意思決定などを報告し、全社的なリスク運営に関するマネジメント体制を構築しています。また、今般の新型コロナウイルス感染拡大においては、「企業の存続を脅かす恐れのある緊急リスク」と定め、即座に「新型コロナウイルス感染症対策室」を立ち上げ、感染対策を全社で実行しながら、働き方改革等に取り組んでいます。
●リスク一覧
リスク | リスクの内容 | リスクへの対応策 |
---|---|---|
法的規制及び 医療政策に関する リスク |
・薬価制度や医療保険制度等の規制の変更により、 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・薬事関連規制の改正の方向を早期に捉えて、 追加対応の要否検討など事前に改正に備えています |
品質及び 副作用に関するリスク |
・品質問題の発生や予期せぬ副作用等で発売中止、 製品回収等の事態に発展する可能性があります |
・薬機法やGxP省令をはじめとする関係法令及び社内規定を遵守し、 製品の徹底した品質管理を行っています ・製品に関する有害事象に注意を払い、迅速に回収等の措置を実施することで 影響を最小限にとどめるよう備えています |
研究開発活動に関する リスク |
・新製品や新技術の研究開発活動において、 期待された効果が得られない等様々な要因により それらの研究開発活動を中止することによって、 研究開発投資を回収できない可能性があります |
・開発パイプラインを拡充し、資源及びリスクを分散し、 適切にポートフォリオ管理を行っています ・ステージ移行時期において パイプラインの事業性を確認しています |
サプライチェーンに関する リスク |
・何らかの原因によって製造又は仕入等が滞ることで、 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・安定供給体制の維持のため、 製造拠点におけるBCP(事業継続計画)の 策定・訓練を実施するとともに安全在庫の確保に努めています |
環境問題に関するリスク | ・研究開発活動や製造の過程において使用する化学物質が 周囲の環境に悪影響を与えていると判断された場合、 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・定期的に保管場所の点検を行い、環境保全に努めており、 緊急時の対応訓練も実施しています |
知的財産権に関するリスク | ・当社グループの事業活動が他社の特許等の知的財産権に抵触する場合、 事業を中止又は係争する可能性があります ・他社が当社グループの知的財産権に抵触する場合、 訴訟を提起する可能性があります |
・必要に応じて弁護士等の外部の専門家と連携して 最善策を講じるための体制を整えています |
訴訟に関するリスク | ・事業活動に関連して、医薬品の副作用や製造物責任等について 訴訟が提起される可能性があります |
・必要に応じて弁護士等の外部の専門家と連携して 最善策を講じるための体制を整えています |
自然災害(気候変動)に関する リスク |
・危機的な自然現象(気象、火山噴火、地震、地すべり等)によって 当社及び取引先の事業活動に被害が生じた場合、 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・災害リスクを最小限に抑える対策として「災害対策マニュアル」を定める等、 BCP(事業継続計画)の策定と継続的改善を行っています |
ITセキュリティ及び 情報管理に関するリスク |
・当社グループは個人情報を含めて多くの企業内情報(営業秘密)を保有しており、 システムへの不正侵入、システム障害や事故等によりその情報が社外に漏洩した場合、 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・「情報セキュリティ管理規定」を策定し、情報システム管理体制を構築することで、 情報漏洩の予防など情報セキュリティの強化に努めています ・サイバー攻撃に対する対策など、社会環境の変化や技術の進歩に合わせた対策を講じるとともに、 関係従業員への注意喚起や啓蒙を継続的に行うことで、 情報セキュリティ意識の向上を図っています |
人材確保・育成及び 労働環境に関するリスク |
・十分な人材確保ができない場合や従業員が安全・安心・健康的に働き続ける環境が損なわれる場合、 事業継続が困難になる、または停滞することによって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・従業員の成長機会の創出と働きやすい職場づくりを通じて、 働きがいを高め、従業員の自律したキャリア実現に努めています |
進出国及び地域における カントリーリスク |
・海外事業において、進出国及び地域における政治・社会・経済等の環境変化に起因して、 当初見込んでいた収益を損なう、または予期せず損失が発生する等、 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・進出国及び地域に関連するリスク情報を収集・認識するとともに、 BCP(事業継続計画)の策定と継続的な改善を行っています |
市場環境変化に関する リスク |
・競合品や後発品の上市等により当社商品を取り巻く環境が変化した場合、 当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります |
・競合品や後発品の上市等の情報を収集し、 創薬・育薬等に取り組み、影響の低減を図っています |
情報セキュリティ
個人情報や営業秘密情報等の情報資産を適切に管理するため「情報セキュリティ管理規定」を策定し、情報システム管理体制を構築することで、情報漏洩の予防など情報セキュリティの強化に努めます。
また、近年脅威になっているサイバー攻撃に対する対策など、社会環境の変化や技術の進歩に合わせた対策を講じるとともに、関係従業員への注意喚起や啓蒙を継続的に行うことで、情報セキュリティ意識の向上を図っています。
事業継続計画(BCP※)
久光製薬は、東日本大震災での経験を踏まえ、災害時に速やかな事業活動の復旧を図り、医療体制維持のため医薬品の品質確保と安定供給が図れる体制を構築しています。特に、医薬品の安定供給に関して、生産・物流拠点の分散や複数購買の実施といった対策を構築するとともに、自家発電装置による電力の確保、緊急連絡体制の確保など、災害リスクを最小限に抑える対策として「災害対策マニュアル」を定めています。
※BCP:Business Continuity Plan
●災害対策、情報セキュリティ対策の一例
災害を想定した 防災訓練 |
事業所ごとに、防災対策班を設置し、それらを統括する災害対策本部と連携した行動計画を定め、災害時を想定した訓練を実施しています。 |
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安否確認緊急連絡 システムの定期訓練 |
災害時の迅速な安否確認と従業員の家族に対する正確な情報提供のため、携帯電話のメールサービスを利用して、全従業員一斉報告訓練を定期的に実施しています。 |
無線・衛星電話通信 テストの実施 |
国内主要拠点である九州本社、東京本社、宇都宮工場ならびに筑波研究所に無線電話と衛星電話を設置しており、災害時を想定した訓練を実施しています。 |
自衛消防隊 | 事業所ごとに、自衛消防組織を編成し、定期的な避難訓練や消火訓練を行っています。消防計画に基づいて、国内工場では定期的に消火訓練や屋外消火栓からの放水訓練を行うとともに、消防署からの指導や評価を受けています。 |
災害対策セットと 食料品備蓄 |
全従業員に対して、災害対策セットを配布し、緊急時の対応に備えています。各事業所では、帰宅難民を想定した保存水や非常食の備蓄を行っています。 |
流通ルートの確保 | 商品の輸送に関して、トラックによる陸送に加え船舶輸送に転換する取り組みを行い、災害時の流通ルートの確保に取り組んでいます。 |
情報セキュリティ | 全世界でサイバー攻撃の被害が拡大していることから、全従業員を対象として、不審なメールを受信した際の対応についての演習訓練(実際に通常のメールを装った疑似標的型攻撃メール配信を含む)を行っています。 |
情報開示
久光製薬は適時適切な会社情報の開示を行うためにディスクロージャ ー・ポリシー規定を制定しています。金融商品取引法および東京証券取引所が定める適時開示規則等により適時開示が求められる会社情報の他、適時開示規則等に該当しない情報であるが投資判断に影響を与えると思われる情報を重要開示情報と位置付け、同規定に基づき適時開示に努めています。
社内体制として代表取締役社長を委員長としたディスクロージャー・ポリシー・チームを結成し、ディスクロージャー・ポリシー規定の内容決定・管理・見直し・監督、重要開示情報の判定、公表の確認、および危機管理を行っています。
ディスクロージャー・ポリシー規定は全役員・全従業員を対象とし、各々が職務分掌に基づき行う業務範囲に応じて適宜必要な情報をディスクロージャー・ポリシー・チームに報告する体制になっています。ディスクロージャー・ポリシー・チームのメンバーを情報開示担当者とし、重要開示情報の開示は原則として情報開示担当者を通じて行います。
情報開示とIR活動
IR活動を通じ、当社の業績や将来性、その他当社に関する会社情報を公平かつ正確にお伝えすることで、当社の事業活動を理解していただくことが重要だと考えています。法令および上場ルールに則り、適時適切な会社情報の開示ができるようディスクロージャー・ポリシーを策定し、全役員および全従業員は当規定に基づき情報開示に努めています。
また、経営の透明性を高めるため、積極的な情報開示に努めるとともに、IR活動を通じて株主および投資家の皆さまとの円滑なコミュニケーションを図っていきます。