サステナビリティ

環境

環境負荷低減

生産活動による排出物や商品使用後の廃棄物の問題など、事業活動による環境負荷を低減することは、企業の大きな責任であると考えています。環境関連の法規制を遵守することはもちろん、自主的な目標の達成に向け、適切な資源の利用と自然環境を維持する取り組みを進めていきます。

環境会計

久光製薬では、環境施策に関わる投資や費用を定量的に把握し、その効果を知るため、環境省「環境会計ガイドライン」を参考に環境会計の集計を行っています。2023年度は継続してCO₂排出量削減による地球温暖化防止や省エネルギーを目的に「太陽光パネル新規導入」「照明機器のLED化」「省エネタイプ空調設備へ更新」「生産稼働率の向上による節電」を推進しました。さらに、製品の薬袋、ケース、段ボールを縮小(エコ&コンパクト化)化する品目を増やし、積極的に資源の効率的利用を行っています。

環境保全コスト単位:千円

分類 2021年度 2022年度 2023年度
設備 経費 合計 設備 経費 合計 設備 経費 合計
公害防止コスト 1,330 26,992 28,322 0 33,164 33,164 0 46,402 46,402
地球環境保全コスト 102,929 68,127 171,056 307,300 98,274 405,574 274,390 174,596 448,986
資源循環コスト 190,800 150,744 341,544 273,708 155,529 429,237 172,858 166,701 339,559
上・下流コスト 0 15,185 15,185 0 16,359 16,359 0 20,119 20,119
管理活動コスト 0 67,912 67,912 0 68,214 68,214 0 68,150 68,150
社会活動コスト 0 7,914 7,914 0 5,914 5,914 0 4,897 4,897
環境損傷対応コスト 0 523 523 0 488 488 0 482 482
その他 0 0 0 0 0 0 0 0 0
合計 295,059 337,397 632,456 581,008 377,942 958,950 447,248 481,347 928,595

対象範囲:久光製薬単体

環境保全効果

分類 単位 環境負荷量 環境負荷増減量(2021年度比)
2021年度 2022年度 2023年度 2021年度 2022年度 2023年度
エネルギー使用量
(原油換算)
kL 12,153 11,844 11,517 100% 97% 95%
CO₂排出量 t 22,785 22,140 22,468 100% 97% 99%
SOx排出量 t 0.9 0.7 0.5 100% 78% 56%
NOx排出量 t 2.8 1.8 1.7 100% 64% 61%
取水量 千㎥ 177 174 173 100% 98% 98%
排水量 千㎥ 93 87 87 100% 94% 94%
BOD排出量 t 8.5 8.6 10.3 100% 101% 121%
廃棄物排出量 t 3,606 3,722 3,358 100% 103% 93%

対象範囲:久光製薬単体

水資源管理

事業活動を行う上で水資源は必要不可欠なものであり、限りある水資源を有効に活用し、環境負荷を低減することは重要であると考えています。水の取水量ならびに排水量を適切に管理することで、水資源の保全を推進しています。

水使用量及び排水量
水質汚濁物質の管理(BODとSS)

水リスクへの対応

久光製薬グループでは、国内外の生産拠点および研究開発拠点を対象に世界的な水リスク評価ツールであるWRI Aqueductを用いて、水不足の指標である水ストレスの評価を行いました。その結果、水ストレスが「High(高い)」または「Extremely high(非常に高い)」に該当する拠点がないことを確認しました。(2024年8月時点)
また、現地において水不足に起因する取水制限や問題が発生していないことから、緊急性の高い水不足リスクはないと評価しています。
今後も継続して水リスクの把握を行うとともに、水資源の効率的な使用、水の使用量削減に取り組んでいきます。

※世界資源研究所(WRI)が提供する水リスクを評価するツール
https://www.wri.org/aqueduct(外部リンク)

WRI Aqueductによる水ストレス評価

水ストレス
レベル
拠点名
Low
(<10%)
久光ブラジル
Low – medium
(10 – 20%)
鳥栖工場、SAGAグローバルリサーチセンター、Noven、久光ベトナム、久光インドネシア
Medium – high
(20 – 40%)
宇都宮工場
High
(40 – 80%)
該当なし
Extremely high
(>80%)
該当なし

資源循環

限りある資源の有効活用は事業運営に当たって十分な配慮が必要だと考えています。資源投入量の削減や廃棄物のリサイクル、再生可能原材料の利用を進めるとともに、汚染軽減や化学物質の適正管理に努めています。

リサイクルの推進

製造過程で生じる生産ロス(廃プラスチック類)は、セメント工場等の熱源としてサーマルリサイクルしています。焼却後に発生する灰は、セメントの混合材料等として使用することで、2023年度のリサイクル率は99.8 %となっています。また、輸送用の資源は分別収集し、古紙の原料やクッション材としてマテリアルリサイクルしています。

  
大気汚染物質の管理

大気汚染物質の管理

ボイラーや自家発電機の稼働時に排出されるSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)は大気汚染の原因となります。当社はこれらの汚染物質の低減を目的に設備更新を行い、燃料を重油から都市ガスへ順次変更しています。当社は大気汚染防止法で定められる基準よりも厳しい自主基準を設定し、これらの排出が基準値以下であることを確認しています。
SOx、NOxは環境負荷が大きい九州本社、宇都宮工場、筑波研究所の合計値です。

  
大気汚染物質の管理

特定化学物質の管理

久光製薬では、PRTR法※1に基づいて化学物質を適切に管理しています。届出対象となる化学物質はトルエンで2023度の取扱量はトルエンが3.4t、今後も適正な利用と管理(保管および廃棄処理※2)に努め、環境負荷低減に努めていきます。
また、アセトニトリルについては2023年4月1日に対象外となりましたが、使用量削減を目的にアセトニトリルを使用しない新たな分析法へ切り替えを進めています。
※1:PRTR法:特定の化学物質について、環境への排出量を把握し、国に報告することを定めた法律
※2:廃棄処理
・廃液処理
使用後の廃液は廃棄処理業者に委託して適切に処理しています。
・燃焼処理
一部の製造工程ではトルエンを含んだガスが発生します。ガスを冷却し廃液として回収せず、ガス燃焼装置(酸化分解方式)を用いて燃焼処理しています。

特定化学物質の取扱量( t )

2021年度 2022年度 2023年度
トルエン 取扱量 3.3 3.7 3.4
大気排出 0.2 0.2 0.2
廃棄処理 3.1 3.5 3.2
アセトニトリル 取扱量 4.3 3.3 3.0
廃棄処理 4.3 3.3 3.0

社内ペーパレス化への取り組み

環境負荷低減を目的に紙の使用は最低限とし、IT(電子化)を活用することで会社全体でペーパーレスに取り組んでいます。その結果として、2023年度は2019年度比で金額ベースで約69%、枚数ベースで約46%の削減となりました。
今後も継続してペーパーレス化を推進していきます。

緊急時対応訓練

設備の破損・不具合、人的操作ミスや、地震・台風・落雷・洪水など自然災害における緊急事態を想定し、環境に与える影響の種類や範囲、深刻度の評価を行っています。その評価に基づき、優先度の高い事態に対して対応計画を策定し、年に1回以上の緊急時対応訓練を行うことで、環境や近隣への影響を最小限に留める体制を整えています。
訓練を通じて初期対応や拡大防止策の手順を検証することで、緊急事態に対する対応能力の向上を図っています。

水素ガス漏れ検知器点検

水素ガス漏れ検知器点検

想定される緊急事態一覧

想定される緊急事態 対象設備等 対象部門
燃料漏れ ボイラー 鳥栖工場 SAGAグローバル
リサーチセンター
自家発電設備 鳥栖工場 SAGAグローバル
リサーチセンター
危険物漏れ 屋内危険物貯蔵所
又は貯蔵室
鳥栖・宇都宮
工場
SAGAグローバル
リサーチセンター
屋外危険物貯蔵タンク 鳥栖・宇都宮
工場
水素ガス漏れ 水素ガスボンベ及び配管 品質管理部 SAGAグローバル
リサーチセンター
排気煙異常 ボイラー 鳥栖工場 SAGAグローバル
リサーチセンター
自家発電設備 鳥栖工場 SAGAグローバル
リサーチセンター
液体廃棄物漏れ 廃棄物置場 鳥栖・宇都宮
工場
SAGAグローバル
リサーチセンター
工場排水漏れ 工場排水槽 鳥栖・宇都宮
工場
実験排水漏れ 実験排水槽 SAGAグローバル
リサーチセンター
総合排水漏れ 総合排水槽 鳥栖・宇都宮
工場

内部コミュニケーション

社内における環境意識の啓発

久光製薬は、環境負荷が大きい九州本社および宇都宮工場の従業員に向けた環境意識の啓発を行っています。ISO14001の環境目標に環境教育を義務づける一方、海外各事業所でも、さまざまな環境教育を展開しています。また、当社の環境に関する情報を社内向けのWEBサイトを通じて随時共有するなど、全世界のグループ社員の環境意識の啓発に取り組んでいます。

生物多様性への取り組み

当社の製品については、一部の原材料で天然資源由来のものを使用しています。持続可能な原材料調達の観点からも生物多様性をはじめとする生態系の保全も重要なものと考えています。当社では、絶滅危惧種IA類であるエヒメアヤメの保存に取り組んでいます。2015年に開始した佐賀県久保泉町の苗は、九州本社敷地内で管理・育成を継続しています。

海外工場の環境負荷低減

海外工場においても国内工場と同様に水使用量削減および廃棄物量削減の施策を講じ、さらに従業員一人ひとりが環境に与える影響について意識を高め、環境負荷を低減するよう取り組んでいます。

海外子会社 2021年度 2022年度 2023年度
ノーベン 取水量(㎥) 17,293 22,240 20,365
廃棄物総排出量(t) 287 399 86
久光ベトナム 取水量(㎥) 33,255 50,519 54,627
廃棄物総排出量(t) 247 363 245
久光インドネシア 取水量(㎥) 11,610 17,051 32,378
廃棄物総排出量(t) 135 444 391
久光ブラジル 取水量(㎥) 18,087 9,067 480
廃棄物総排出量(t) 613 638 321
合計 取水量(㎥) 80,245 98,877 107,850
廃棄物総排出量(t) 1,282 1,844 1,043

※集計期間:各年度1月~12月

海外工場の環境活動

海外子会社の取り組み

・ノーベンでは、エネルギーの効率的な活用と省資源のための廃棄物管理を目的としてグリーン活動チームを組織し、「持続的な改善と、目標達成、妥協なき向上」という理念で活動を継続しています。2023年度にはEast工場およびWest工場にある老朽化した冷暖房空調設備10基を、高効率の設備へ交換を行いました。
・久光ベトナムでは、工場の屋根に遮熱塗装を定期的に行うことで屋根温度上昇抑制による空調負荷低減を図り、電気使用量の削減を継続して行っています。また、以前は廃棄していた下水処理薬品のプラスチック容器をメーカーと連携し再利用することでプラスチック廃棄物の削減を行い、環境負荷低減に取り組んでいます。
・久光インドネシアでは、2022年2月に上市した久光インドネシア製バイバイフィーバーの内袋・ケース・段ボールを小さくし、2022年10月から出荷が始まったサロンパスゲル・クリーム・クリームHOTの添付文書を無くすことで継続して廃棄物の削減に取り組んでいます。
・久光ブラジルでは、マナウスにあるアマゾナス日系商工会議所に加盟している日本進出企業と協同で環境負荷低減を意識した活動を行っています。また、社内では軽油からガスへの切替えや再エネ使用等に取り組んでいます。

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